J.Y. Park エッセイ 何のために生きるのか?

読んだ経緯

JYPのモノマネを友達がしていて、なぜそんなに流行っているのか尋ねた所、Nizi Projectの動画を見ることを勧めてくれて、初めてJYPという人物を知った

Nizi Project自体、日韓の芸能事務所が協力して次世代のアイドルグループを作る目的で行われたオーディション番組で、JYPが審査員・プロデューサーとして番組内に何度も登場する

そこでJYPが発するアドバイスは、アイドルグループとしてやっていくための小手先のテクニックではなく、人を惹きつけるために必要な重要な示唆だけでなく、人生の教訓をたくさん含んでいて、自分はとても関心を持っていてた

なぜ成功を収めることができたのか、どうやってそんな考え方に至ったのかという興味しか湧かなくて、本屋で見かけた瞬間に購入した

あらすじと見どころ

JYP自身のエッセイで、これまでの半生を振り返り、どういう哲学を持って人生を歩んできたかが綴られている

  • 子供時代にどういう夢を描き、それを手に入れるためにどんなことをしてきたのか
  • 幼い頃から思い描いていた「完全で永遠の幸せ」を最高のパートナーと結婚することで満たされると考えていたが、そうではなかったこと
  • 今まで信じてきたことが否定され空いた心の隙間をどうやって埋めたのか
  • 一貫性のもと徹底的に聖書と対峙し、導いた「人生を何のために生きるのか」という答え
  • 何のために生きるかを悟った後、具体的にどんなことを実践しているのか

オーガニック食品しか食べないなどNizi Projectの中でも出てくるJYP Wayが理解できるようになる一冊

面白いと思ったこと

  • 「20年後を見てみろ」

この言葉は、周囲の反対を押し切ってJYPが彼女の存在を公言し、今まで売れていたアルバムが全然売れなくなった時にJYPが心に誓った言葉

この瞬間にJYPは今すぐトップになれないことを悟ったが、20年後のトップになることを決意し、他の歌手が遊んだり寝ている間も健康管理・レッスン・作曲など努力に明け暮れた

これらの努力の結果、最終的には12のトップアーティストを世に送り出し、600曲を作詞・作曲をした. さらに、そのうち56曲がランキングの1位に輝いた

自分の信念を通すことは、時として世間とのギャップから不利益を被ることはあるが、成功し続けるために努力し続けることの重要性を学んだ気がした

  • JYPは敬虔なクリスチャン

JYPは子供の頃から目指していた「完全で永遠の幸せ」は、愛する人を愛し、愛されることによる「特別な愛」で形作られると思っていた

しかし、実際に見つけた結婚という特別な愛は、完全で永遠の幸せを得られるものではなかった

離婚を通じて、JYPが今まで抱いていた価値観がすべて否定され、「人は何のために生きるのかという」心の穴が空いてしまった

この空いてしまった心の穴を埋めたのが聖書だった

自分の考えでは宗教というものは、俗世に拠り所がなくなった人が、盲目的に神や教えを信じ、心の安静を保つものだと思っていた

ところがJYPが聖書に求めたことは、「何のために生きるのか」などの疑問を 論理的な矛盾が一切存在せず 、説明してくれる教えだった

宗教へのアプローチが自分が考えていたこととは真逆で、なぜ信じるに至ったのかを詳細に語れている部分が、個人的にとても興味深かった

自分も「何のために生きているのか」など答えのない人生の根源的な悩みにぶつかった時、その答えを得る一つの手段として聖書を開いてみようかなと思った

  • リーダー8箇条

JYPが作った会社JYPエンターテイメントには「JYP Leader in Entertainment」というスローガンがある

これは、JYPが愛する人から愛され、認められることを自身の夢としておいていて、それを会社に適用するために考えた言葉である

この言葉における「Leader」が備えるべき資格は以下の8つの条件で定義されている

・リーダーは清廉である
・リーダーは尊敬される
・リーダーは研究する
・リーダーは変化する
・リーダーは傾聴する
・リーダーは率先して行動をする
・リーダーは組織の一員として働く
・リーダーは大きな夢を語る

どの言葉も明快で自分の経験と照らし合わせても、非常に納得ができた

自分が漠然と考えていた一緒に働きたいという人もこの言葉の中に包含され、かつ自分が考慮しきれていなかったことも言語化されていた

すごい安直で自分の意見は無いのかと言われるかもしれないが、これらの言葉をそのまま自分の行動指針であるとともに、一緒に働きたい人の基準として考えていきたいと思う